京都deお散歩 9 ~東山聖天さん(宝山香雪院)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

  

 東山のふもと。京都女子中学・高等学校、京都女子大学の敷地と隣り合わせにある、天台宗初の尼寺だそうです。入口の提灯には「大聖歓喜天」と書かれています。これは、最近話題になった「夢をかなえるゾウ」ガネーシャ(インドの神さま)の、ほとけさまとしてのお姿のことだそうです。大日如来や十一面観音の化身と言われているとのこと。

 塀の4本の白線は、由緒正しいお寺であることを示すしるし。妙法院とかかわりのあるお寺で、霊元天皇の皇子堯恭法親王という方が建てられたお寺だそうです。

 聖天さんが安置されているお寺って、かなりめずらしいので、訪ねてみました。

 まず目に入って来るのが、像さんです。やっぱりガネーシャのお寺なんだと思いましたが、ふつうの象さんなのは、ちょっと残念。

 そして、鳥居。聖天さんのお寺では、鳥居があるお寺が多いのだそうです。

 鳥居の正面には、「歓喜天」と書かれていました。

 とても古めかしい鐘つき堂には龍の彫り模様。
 ここだけかなり古めかしかったのですが、この龍の彫り物はなかなかたいしたものでした。

 そして、小さなお稲荷さんまでありました。

 新しく作られたお堂は弁天さんのお堂。七福神もおられます。

 そして、一番奥にいよいよ聖天さんのお堂です(下3つの写真)。ちょうどお掃除中だったので、箒が置かれていますが・・・。

 横になってる象さんが見えるでしょ。

 でも、中の仏さまはどんなお姿なのか、隠れて見えません。聖天さんは、たいていのお寺では、秘仏(鳥居があるので、神さまでもあります)ということで、見せてもらえないのだそうです。そっとそのお姿を想像するにとどめなくてはなりません。

 ここのお寺の聖天さんは、慈覚大師という人が、唐から持ち帰ったものなのだそうです。

 聖天さん(元々インドの神さまであるガネーシャ)の像は、単頭のものと双頭のものがあるそうです。

 単頭のものは、ガネーシャとしてよくインド料理店で見かけますので、だいたいそんなものなのかなと想像します。ねずみが足元にいるのは、富をもたらしてくれるということで、お商売繁盛の神さまと言われているようです。

 また、双頭のものは「京都deお買いもの」(東寺の初弘法)でもご覧下さい。双頭の聖天さんは、十一面観音さんが、姿を変えて現れ、一緒になって救ってくださる(あるいは、乱暴者に抱かれてくださり、歓喜にいたらせ、回心させてくださった)という信仰に基づいている仏さま(あるいは神さま)で、夫婦和合の象徴になっている秘仏だそうです。

 通常、供養としては、毎日お寺では、浴油というのが行われているそうです。これは、ごま油などを秘仏にかけて沐浴させるというものだそうです。観音さまが、乱暴な男の人を油の池に連れて行って沐浴させて、救ってあげたという話に基づくものだそうです。

 これも聖天さんに伝わっている話ですが、大根が大好きだそうで、大根をお供えするということもされているようです。また、この大根は、争って牙を落としてしまったガネーシャの牙の代わりとも言われています。そして、手には巾着の袋を持っているというのも伝わっています。このふたつはセットかな。そして、巾着の代わりに、聖天さまが好むというお菓子もお供えするそうです。

 ここのお寺のシンボルマークは、「寶」という字の書かれた巾着袋です。

 さあ?このお寺の歓喜天(聖天)さんはどんな仏さまなのでしょう?

 インドの神さまと如来さまや観音さまが一緒に融和された信仰、そこに七福神も加わってというのが、実は日本の古くから伝わる信仰のようで、お寺には、そういったあらゆるものが境内に共存しておられるようでした。

 京都では、山科の双林寺、西陣の雨宝寺、大山崎の観音寺、木津川の光明山聖法院などにも聖天さんがおられるとのこと。いろいろなご利益があるようです。

 なお、このお寺は、以前ご案内しました「革堂行願寺」と住職が同じで、ともに尼寺ということになります。

  香雪寺(尼寺36か所第11番)
  行願寺(尼寺36か所第9番)(西国33ヵ所第19番)