ぱんdeおしゃべり 10 ~テーブルロール~

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美味しいパンを焼きましょう!

テーブルロール


ぱんdeおしゃべり******************************************************


 大学に入った年の夏、友達と瀬戸内海の大三島生口島尾道の旅に出ました。ところが生口島のホテルでとても気分が悪くなり、一晩中苦しむことに。次の日は、志賀直哉の旧宅のあと、林芙美子の「海が見える」の石碑があるということで楽しみにしていた尾道の旅でしたが、私だけはとても行けそうにありませんでした。生口島から船で尾道に渡るや否や、尾道港の前にある警察に飛び込んで、「どこかに病院はありませんか」と助けを求めました。日曜日だったのですが、そのころ、尾道では当番制で日曜日にも診てもらえる病院があったようで、警察の方にタクシーを呼んでもらい、どこやらわからない病院に連れて行ってもらったのです。

 しばらく休んでいなさいということで、私だけベッドに寝させてもらって友達二人は尾道観光へ。

 真夏でしたが、病室にはエアコンもなく、窓が開けられ、涼しい風が入ってくるのです。ベッドはいくつもありましたが、大きな部屋に私ひとりでした。寝ていると、隣の診察室から診察中の声が聞こえてくるのです。おばあさん、おじいさんが来られるのですが、診察時間はひとりにつき、40分、50分、1時間といった具合です。からだの具合がどうとかではなく、こんなことがあって・・・、という患者さんの話に先生がのんびり付き合っておられるといった感じでした。なんとのどかなこと。

 涼しい風が入ってくる窓も床もすべて木製。今のようなフローリングではなくて、昔むかしの木の床。そして、窓の外は緑いっぱいの田んぼで、蛙が鳴いていました。

 夏の風と蛙の鳴き声、おじいさん、おばあさんの世間話の声に、相槌を打つ先生の声。扇風機が一台回っていました。

 看護婦さんがひとり。尾道の方ではなくて、島からこちらへ毎日やってきているとか。京都の方なのですね、と言われるので、三条大橋の近くなのですというと、修学旅行で三条大橋、行きました、と言ってとても親切にしてくださいました。

 朝から何も食べられない状態でしたが、お昼になると、奥さんがお茶とテーブルロールをひとつお盆に入れて持ってきてくださいました。テーブルロールをひとつ、少しずつ食べました。おいしかった。
 そのあと、だんだんと元気が出てきて、3時ごろ迎えに来てくれた友達とお礼を言ってその病院を出ました。

 帰り道の新幹線の中で、尾道どうやった?と聞くと、さっきの病院が一番良かった、という答えが返ってきて、三人で、いいとこやったなあとしみじみ言いあいながら、京都に帰ってきたのです。

 瀬戸内海の旅はとてもよかった。大三島には大山祇(おおやまづみ)神社という仁徳天皇の時代に神様が祀られたとかいう神社があります。歴史を感じさせられるような古い古い立派な神社でした。でも、観光するところはそこだけしかありません。お昼を喫茶店のようなところで食べたのですが(1975年のことです)、茶色のソファーのような椅子席に、テーブル。テーブルの上には大きなマッチ箱。昭和30年代に台所で使われていたようなマッチ箱です。そして、お店の壁には、「らーめん」「焼きめし」と墨で白い紙に書かれたメニュー。私たちは唖然としながら、焼きめしを頼みました。島の端から端までタクシーに乗っても600円ぐらいでした。タクシーの中のラジオから高校野球の実況中継が流れていました。何もほかには見るところもないのに、港へ行っても次の船はあと3時間ほど経たないとこないとのこと。おしゃべりにも飽きて三人で堤防の上でごろんと寝ころんで青空を見ていました。真っ青な夏の空と、波の音。3時間ほどのんびりして、船に乗りました。なんていい旅だったことだろうと思いました。

 生口島には、西日光と呼ばれる耕三寺というびっくりするほど派手なお寺がありました。金本福松という実業家が母が亡くなったときに、母の菩提を弔うために出家して開山したとか。この島が平山郁夫さんの故郷だったということを知ったのは、ずっとあとのこと。そのころにはまだ平山郁夫美術館はなかったのです。

 私は瀬戸内海が好きです。中学生のときに「二十四の瞳」を読んでから、小豆島にあこがれていました。まるで湖のように穏やかな海。昔ながらのお醤油の作り方で今も木の樽でお醤油を作っておられるヤマロクさんのお醤油は、小豆島であちこちのお醤油の見本を舐め続けましたが、一番おいしいと思いました。水のおいしい島のようです。昔からお醤油造りがさかんで、小豆島の東側は、歩いているとお醤油の匂いが漂ってきます。「二十四の瞳」の壺井栄の生まれた家もこのお醤油の漂うあたりだったようです。

 小豆島びいきの私は、基礎化粧品は小豆島のオリーブの化粧品を使っています。お風呂の入浴剤も、石鹸もオリーブオイル入りのものがあります。シャンプーだけは私には合いません。柔らかい髪質の人には髪に腰が出ると好評ですが、私の髪にはべとべとしてどうも合いません。

 小豆島へ行くには新岡山港からフェリーに乗るのですが、「新」というにも関わらず、この新岡山港が古めかしくてアンティークでとてもいいのです。夕暮れ時に船を待つと、夕暮れの色合いとこの港の木製の古めかしい机、いす、床の色合いがとても合っていて素敵です。

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【テーブルロールのレシピ】 17個分


菓子パン用専用小麦粉    400g
イースト            8g
砂糖             40g
塩               6g
スキムミルク         20g
バター(無塩)        48g 
水             260g

^貅“酵は40分
■苅毅隋滷隠係弔吠割、丸めてベンチタイムを15分
生地を両手で、12~13cmの円錐形になるように転がす。
い瓩麕世農乎呂虜戮い曚Δら太いほうへと転がしてのばす。
ィ慨きになるように巻き上げる。
Εッキングペーパーを敷いたオーブン皿にならべて、30~35分の二次発酵(30度ぐらい)。
卵を刷毛で塗って、170~180度で10~12分焼く。