京都deお散歩 167 ~平家物語ゆかりの清閑寺を訪ねる~


 きょうは、少し強い風は時折吹くものの、穏やかな春の一日となりました。

 この間から気になっていた平家物語ゆかりのお寺「清閑寺」を訪ねてみました。

 平清盛は娘である徳子を高倉天皇の后にしたのですが、高倉天皇後宮の小督局(こごうのつぼね)にすっかり溺れて、娘までもうけてしまい、小督は清盛の怒りに触れてしまいました。その後も高倉天皇は清盛に隠れてこっそり小督を招いたので、このふたりを引き離すために小督を無理やり出家させてしまったのがこの清閑寺です。秘話として能でも演じられています。

 東山五条坂大谷本廟のお墓のあるところを東に東にしばらく坂を上って行き、その後、山のほうへもうちょっと登ったところにひっそりとたたずむお寺です。

 急な階段を上がると、高倉天皇の御陵がまずあります。

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 その右手の階段をさらに昇ると、そこが清閑寺です。

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 山門のところに小さな志納金入れがあり、100円入れるようになっています。


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 山門をくぐったところに、小督の供養塔がまずありました(奥のほう)。

 
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 観光客はだ~れもいません。静かな静かなお寺です。

 小督が剃髪した本堂


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 清水焼の窯が近くにはいろいろあるあたりです。このお寺でも清閑寺窯というのがあったようで、その発祥の地でもあるようでした。

 境内では、梅の花が咲いていました。


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 きれいなピンク色の椿も咲いていました。


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 小督の桜と呼ばれている桜の木です。桜の季節にまた観に来たいと思いました。

 
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 桜が咲くころには、この山あいのお寺もひっそりと美しく彩られるのでしょう。
でも、きっと観光客は訪れていないはずです。



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 このあたり、歌の中山と言われ、向かって左手(清閑寺と反対側)のちょっとした山道を5分も歩くと、観光客でいっぱいの清水寺に入れるところがあります。つまり、清水寺からもほんの5分ほどで行けるところでもあるのです。


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 清閑寺には、以前はお茶室が鐘撞き堂の上にあったそうですが、残念なことに平成に入ってから朽ち果ててしまったそうで、ブルーシートがかけられていました。志納金100円では修繕できなかったのでしょうね。惜しいことです。有名になって人がたくさん来られると風情がなくなるけど、でも、あまり人が訪れないのも修繕できないし・・・。静かでひっそりとしたいいお寺なだけに朽ち果てたお茶室のブルーシートはほんとに残念した。

 清水よりさらに奥のお寺というのは、昔は亡くなった人を風葬したり火葬したりする場所の近くだったところです。お墓もたくさんあります。寂しいところで出家させられたのですね。

 小督のお墓は嵯峨野にあるのだそうです。嵯峨野で暮らしていたそうですが、その後、どうしたのかは記録がないようです。当時は嵯峨野もお墓がたくさんある寂しいところだったはずです。

 清水寺あたりはそれはそれはすごい人で、まともには歩けませんでした。

 坂道をたくさん歩いたこともあり、きょうは清盛の娘である建礼門院徳子さんの出家したお寺「長楽寺」を訪ねるには足が疲れてしまったので、取りやめました。平家滅亡後、息子の安徳天皇は入水したのに、母である徳子さんは漁師に引き上げられ、生き残ってしまいました。長楽寺は悲嘆した徳子さんが出家した、円山公園近くにある、これまたひっそりしたお寺で、とてもいいところです。ゴールデンウィークには、平家物語の琵琶の弾き語りが聴けます。

 この春は静かでひっそりしたいいお寺をのんびりと訪ねてみたいと思っています。