きょうのディナー 56 ~ゆとりの空間 栗原さんちのドライカレー~



~ゆとりの空間 栗原さんちのドライカレー~

 大丸百貨店の4階 栗原はるみさんのお店「ゆとりの空間」

 グリーンで仕切られた空間で、私はよくカレーを食べて帰ることがあります。



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 レシピの書かれたシート。


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 この数か月は、お野菜がいろいろ入ったドライカレー。ほうれん草やトマトが載せられています。



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  ここのお店、たいていのお料理にお味噌汁がついてきます。カレーにもお味噌汁。ちょっと合わないようにも思いますが、お味噌の味がわりと美味しいのです。


 このお店、ほとんどが女性で、夕方はたいてい空いているので、入りやすいこともあって、よく急いでいるときの夕食に入ります。

 今夜もタヒチアンエクササイズがあるので、家に帰ってご飯を作って・・・、がついついめんどうで、食べて帰りました。

 さて、このお店のオーナー、栗原はるみさんが、何年か前なのですが、イギリスのフランス料理店に修行に行かれたという番組の再放送を春に見ました。

 元々はフランスで本格的な修行をしたシェフなのですが、フランスでの料理人には自由がない、ということで、イギリスに移住された人なのだそうです。

 本格的な修行をしたことがないという日本の主婦の料理研究家を温かく受け入れてくれた人なのですが、栗原はるみさんにまず言われたことが、「あなたはレシピを作って料理を多くの人に伝えてきていますが、ここではレシピを使ってはいけません」ということでした。

 その日の朝に市場に行き、食材の種類と色を見ながら、それらを組み合わせ、その日のメニューをその場で考える。そして、料理は、料理人の舌と勘で作るもの。レシピに縛られた料理には何の自由もなく、その人らしいものが作れないのだということでした。

 伝統あるフランス料理をフランスで作っているときには、いつも縛られていたのだそうです。イギリスに来て、そのお店のある場所にたどり着いたとき、こここそが何物にも縛られることなく、舌と勘と自由な発想で料理ができる!と思ったのだそうです。

 とても大切な教えだなあと心に残ったことばでした。レシピは、確かに、誰が作ってもおいしく作れるとても便利なものです。でも、その通りに分量を量って、材料をそろえていては、確かに縛られたお料理でしかないということです。

 冷蔵庫の中をのぞいて、あ、きょう、これとこれを組み合わせて、こういうのを作ってみたらどうだろうとインスピレーションを働かせて作ってみる。確かにそういう時って、わくわくするような気持になれるものです。それが自由を実感する瞬間なんだなあとテレビを見て、教わりました。

 そこのお店では、お料理を作っては、使ったものや場所をその都度その都度きれいに拭いて掃除するというのが決まりになっているのだそうです。そういえば、禅宗の修行でもまずは掃除でした。いい仕事をするのにはまずはきりっときれいであること。これもとても大切なことです。

 栗原はるみさんも、そのお店では、自分の舌と勘で、働いておられました。そして、最終日には、自分で市場に行き、その日の市場の色合いの中から、数日間の間にシェフから教わったフランス料理と、自分が今まで作ってきた日本料理を組み合わせた新作料理を披露されていました。はるみさん、さすが~、と 思いました。

 このところ忙しくあわただしい毎日を過ごしていて、なかなか自分の食べるものを楽しんで作るということをせずに暮らしてきました。ちょっと気持ちを変えて、ゆとりの空間を自分も家にも作り出さなくては~。