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娘印の田中商店

 実家で開業する息子のお店の工事がお盆明けから始まります。きょうは息子と一緒に、お店にするところの整理で、大型ごみや普通ごみを出したり、古紙回収に出すものをまとめるために実家に帰っていました。

 

 普段は開けることのなかった扉を開くと、昭和の初めに作られた祖父のお店の看板が見つかりました。娘印という言葉が商品につけられていたりしたのだそうですが、花嫁さんの婚礼用品としての高級なお布団なども扱っていました。

 

 当時のお店は、一階が吹き抜けになっており、二階部分にきれいな婚礼布団などが展示されていたのだそうです。

 

 父たちは、学校へ行くときに、この写真の看板に向かってあいさつしてから出かけることを祖父にしつけられていたそうです。

 

 祖父のお店は時代の波に乗って、大いに繁盛したようです。昭和の初めに三条大橋の近くにお店を移転。三条大橋の近辺には、当時は旅館が何軒も並んでいたため、お布団やさんは大繁盛したようです。

 

 私はまだ祖父がお店をしていた最後のころに育ったのですが、生まれたときには祖父手作りの、赤い絹で作られた真綿のお布団で寝させてもらっていたのだそうです。真綿とは、絹の綿です。

 

 でも、その後は、寝具は大きなお店で安価なものが作られるようになったため、祖父のお店も傾いてしまいました。

 

 この看板は、左上に「近」と書かれているのですが、これは、近江商人であることを表しているのだそうです。

 

 京都の商人にはわりと近江商人って多いのですよ。

 

 きょうは歴史を感じるような看板を見つけて、90歳の父から昔話を聞いていました。