玄関にはお雛さまが飾られていました。
お部屋には、大きな貝合わせの焼き物。
お箸置きも貝。
お料理の器にもお雛様。このお雛様の中にはお料理が入っています。
最後の水物の器も貝合わせ。
京料理というのは、先日行った「木乃婦」さんもそうでしたが、季節を感じさせてくれる素材や色合い、器などが、日頃のあわただしさを忘れさせてくれ、ひととき、京都の文化を味わい、ゆったりとした心持ちにさせてくれます。
あわただしい仕事を終えて、こういうところでひと時を過ごすと、忘れていた何かを思い出させてもらえたかのような貴重な時間をいただいた気持ちになります。
細い道を入ったところに、ひっそりとたたずんでいるお店なのですが、奥行きも深く、非日常的な空間が広がっていました。
お部屋の中からは外のごちゃごちゃしたような町の様子は見えないように、うまく隠されて、ここの空間の雰囲気が崩れないように工夫もされて作られているのもさすがでした。
老舗のさまざまな心遣い。京都の老舗のお料理屋さんって、そういうのに惹かれるんだなあと思いました。
春の訪れを感じさせてもらった夜になりました。
創業350余年だとか。