雑感 117 ~春めいてきました。~


 まだまだ寒かったり空気が冷たかったりもするのですが、3月下旬並みの気温の日が増えてきました。

 真冬には縮み気味だったベランダのパンジー忘れな草が急に元気づいてきました。


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 忘れな草って、forget me not なんて、なんだか寂しそうな名前ですが、とんでもない。お正月に一緒に鉢植えしておいた葉牡丹をすっかりいためつけ、葉牡丹は根腐りしてしまいましたので、抜きました。

 今では葉牡丹が植えてあったところにもいっぱいに群がって咲いています。さすが草だけあって、たくましい。



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 忘れな草はヨーロッパから明治時代に日本に入ってきた花だそうで、春から初夏に咲きます。

 きれいなブルーで、かわいい花ですから、私はこの花が結構好きで、コーヒーカップでも持っています。



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 このごろ、ハワイのパワーあふれる自然に惹かれることしばしば。それに比べて私が暮らしているところはコンクリートの建物に囲まれた自然のほんとに感じられないところです。植木鉢にお花を植えていても、アロハの精神なんてものを感じるには程遠い。

 と思っていたのですが、考えてみたら、このコンクリートの建物の中でさえ、「春がやってきている」ということで気持ちがうきうきしてくるものです。

 そろそろ陽射しの色合いと今まで着ていた冬服の色合いが合わず、春の陽射しに合うような服を朝から出していました。

 自然がないようなところでも、自然にすっぽり包まれて暮らしていたのだなあと、春がいよいよ本格的にやってきている今、感じることができました。コンクリートの中でもアロハの精神はあるはずですね。



閑雅な食慾
      萩原朔太郎

松林の中を歩いて
あかるい気分の珈琲店(かふえ)をみた。
遠く市街を離れたところで
だれも訪づれてくるひとさへなく
林間の かくされた 追憶の夢の中の珈琲店である。
をとめは恋恋の羞をふくんで
あけぼののやうに爽快な 別製の皿を運んでくる仕組
私はゆつたりとふほふくを取つて
おむれつ ふらいの類を喰べた。
空には白い雲が浮んで
たいそう閑雅な食慾である。
『青猫』(1923 新潮社)



 春になったら木々に囲まれたカフェで私もゆったりと閑雅な食慾を覚えたいものです。

 とりあえずきょうはベランダのお花でもみて、「春 珈琲」というブレンド珈琲を忘れな草の珈琲カップでいただくことに。



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