京都deお散歩 62 ~黒谷~

 
 
 連日のお客さまで、なかなか初詣には行けませんでしたが、昨日は、黒谷にお墓参りに出かけました。
 
                本堂の横に、大きな松。
 
           これは、鎧掛けの松と言われているものです。
 
 
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 源氏の武将熊谷直実が、平家の平敦盛と一の谷の合戦の最中にばったり出会ってしまい、切り合うことになったのですが、顔を見れば、なんとお化粧をした絶世の美少年。その上、わが息子とまさに同い年ぐらいのうら若き年頃。
 
 この少年を切ることを一瞬ためらうのですが、敵であれば切らざるを得なく、殺してしまいます。
 
 そのことがその後もずっと頭から離れなくて、気が咎め続けた直実は、法然上人を黒谷に訪ねた際、蓮池で身につけていた鎧を洗い、この松に掛けたと言われています。
 
 ただし、この松は、二代目だそうで、一代目はすでに枯れてしまっているのだそうです。
 
 その熊谷直実のお墓も、黒谷のお墓の入口あたり、お坊さんたちのお墓の片隅にあります。
 
 
 
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 その横には、法然上人の遺骨を納めたお堂が建っています。
 
 
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 熊谷直実のお墓の横の方には、二体の男女の大きな仏さま(2メートル以上ありそう)。
 
 この仏さま、縁結びの仏さまだとか。
 
 今は亡き母方の伯母は、ここへきたらこの仏さまに娘の縁組をお願いしていたのだそうです。
 
 それを聞いて、息子は、これからも彼女との良縁をお願いしようと思ったのか、ちゃんと手を合わせてまじめに拝んでいましたぁ・・・。
 
 
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 反対側のところには、昨年の大河ドラマで有名になった徳川二代将軍秀忠の妻・お江の供養塔。
 
 
 
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 実は、お墓のてっぺんにある元・文殊菩薩の三重の塔(国・重要文化財指定)は、徳川秀忠の供養塔として建てられたものなのだそうです。
 
 
 
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 昔はこの塔は、文殊さまがおられるからということで、「拝んどくと頭がようなる」と言われて拝んでいましたが、数年前、文殊さまは移転、三重の塔とだけ書かれていました。
 
 このお墓、左京区の東山側の山を利用して、昔々からあるのですが、見晴らしがよく、平安神宮の鳥居も見えます。
 
 上の方に登ると、京都の町を見下ろせます。
 
 黒谷は、金戒光明寺といって、比叡山を下りた法然さんが初めて庵を結ばれたところです。
 
 桜と紅葉の季節には、大勢の観光客でにぎわいますが、お彼岸、お盆、お正月しか行かないので、一番きれいなシーズンを知りません。
 
 時代劇やサスペンスドラマによく使われる山門はただ今工事中。来年の秋まで布で覆われるようです。
 
 帰り道に、いつも通る道。
 
 岡崎神社の横の道になるのですが、細い道幅で、晴天の日も木々に覆われて薄暗く、その薄暗さがなんとも静かでいい感じの場所です。夏には蝉の鳴き声だけが聞こえてきます。
 
 細かい細かい階段をとことこと下りて行くと、丸太町通りに出ます。
 
 
 
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