きょうのランチ 24 ~大覚寺のお斎(おとき)~

 
            
            大覚寺 写経のあとにいただくお斎(おとき)
 
 
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 きょうは朝から大覚寺に写経に行きました。
 
 嵯峨嵐山にある、弘法大師ゆかりの、真言宗のお寺です。
 
 以前から一度行ってみたいと思っていたのですが、やっと行くことができました。
 
 1のつく日(1日、11日、21日)にあるようです。
 
 般若心経のお経をあげて、お坊さんのお話を聞いて、そのあとに写経をし、それを納めてきました。
 
 大覚寺には、この春娘を失った伯母と、母との3人で行きました。
 
 さて、お斎(おとき)ですが、仏教行事のあとに出される振る舞いのことです。
 
 母が、「ここのおうどん、お葱とちごて、三つ葉が使ってあるのんは、弘法大師が大きい蛇に追いかけられて、九条葱の畑に逃げ込んで助かったてゆう言い伝えがあるさかいで、それから、弘法さんはお葱を断たはったという話があって、昔、おじいちゃんも21日の弘法さんの日には、お葱を食べはらへんかった」と言っていました。
 
 そういう話を母は、祖父から聞いたのだそうです。伯母と、「そうやったなあ、弘法さんの日ィには、お父さん、お葱、食べたはらへんかったなあ」と昔のことを思いだして、言い合っていました。
 
 東寺が九条にあったから、九条葱の畑があったようですね。
 
 京都では、何日に何を食べるというのが、昔の人の暮らしの中にあって、実家のほうでも、亡くなった父方の祖父なども、そういうことにこだわっていたという話は、実家の父などからよく聞きましたが、弘法さんの日はお葱を断つ日なんだということ、初めて知りました。
 
 なお、このお寺、以前は、散らし寿司など、いろいろ出ていたようですが、今はきつねうどんばかりだそうです。でも、おあげがとても分厚くて、美味しく炊けていたし、おだしも美味しくて、けっこう満足。おにぎりもつくようですが、ゆっくり行ったので、なくなっていました。
 
 修行中のお坊さんたちもここの食堂(じきどう)でお昼を食べられてました。「ぜひ、食べて帰ってください。そうでないと、私たちは、毎日同じおうどんが続くんです~」と、写経のあとで言われたことがあったのだそうで、それならと、きょうはしっかり協力してきました。
 
 若くてきれいなお坊さんたちもたくさん見ました。坊主頭って、案外きれいに見えるものですね(と、不謹慎なことを思ってきょろきょろしてきました)。
 
 伯母は、もう48年もここで写経を毎月してきたのだそうです。パン教室をしていて行けないときは、1日の夜中に書いて、速達で娘に送りに行ってもらったのだそうです。その娘も、夫も、今は、この大覚寺のお墓に眠っています。
 
 母も伯母も、昔、母の兄が嵐山に住んでいたことがあって、そのお兄さんにこのお寺を紹介してもらったのだそうです。その時以来、よく一緒に写経をしにきていました。
 
 母は、私が子供を授かった時も、入院した時も、毎月よく来ていたようです。
 
 というのは、このお寺は、真言宗なので、護摩木などにお願いごとを書いて、納めるのと同じように、写経にもお願いごとを最後に書くようになっているのです。
 
 浄土真宗では、仏さまにお願いごとをするようなことはしないのですが、たいていの宗教では、お願いごとを聴いてもらえるようです。
 
 ちなみに、うちは、浄土宗です。どう言うわけか、母は、先日亡くなった父方の祖母(母にとってはお姑さん)の戒名を最後の欄に書いていました。きょうは、祖母のための写経だったそうです。
 
 ???
 まあ、母には、何宗でもいいのでしょう。
 
 写経の紙の最後のところに、お願いごとを書く欄がありました。きょうはそんなことも考えずに行ったものですから、さて??何にしようかしら???とそればかり気になって、あまり一心に写経ができませんでした。
 
 で、きょうは、「世界平和」と、夢を持っている人たちが心願成就できますように、と書いて納めてきました。
 
 きょう、写経に来たきっかけは、このお寺のお墓に眠っているいとこが、この夏に納骨をしたばかりなので、それできょうは、お墓参りを兼ねて3人で出かけたのです。
 
 お寺ということもあり、伯母といっしょということもあり、私はちょっと気を使って地味な色合いの服を着ていたし、母も、紫系の服でした。
 
 で、伯母は、というと、・・・。駅であって、びっくり!なんと!とても目立つオレンジ色の地に、大きなひまわりがいくつも咲いていました~!さすが~~!
 
 伯母の思い出。
 
 小学校2年の時に、母方の祖父が亡くなったのですが、お葬式の日、ふすまがパッと開いて、そこに現れたのは、なんと!総レースの黒い長い、まさに「ドレス」を着た伯母でした。小学校2年の私に、強烈な印象を与えてくれました。
 
 またある時は、真っ赤なスーツであったり、ショッキングピンクであったり、真っ白な白髪にとても綺麗な淡いピンクのセーターであったり、・・・。
 
 80代後半を迎え、足が急に弱ってきたようで、折り畳み式の杖を持っていましたが、その杖も、赤色。かわいい杖でした。
 
 人の目なんかまったく気にしない、そういう伯母の様子に、そうだな、そうあるのが一番いいなと思いながら、写経していました。
 
 さて、大覚寺の写経ですが、これはなかなかいいものでした。
 
 年会費1000円で、以後、さまざまな大覚寺の行事(お月見、灯篭流し、嵯峨菊の鑑賞などなど)にも、入場料無料で参加できます。そして、写経したものに、お願いごとを書いて、それを納めるのに、1000円をさらに払います。
 
 年会費を払わない場合は、写経を納めるのに、1回につき1000円の料金です。
 
 そこで、年会費を払い、筆ペンを400円で買って、般若心経を写しました。
 
 といっても、だれでもできるような写経です。薄く下書きされているのをたどるだけですから。
 
         そして、写経場の前には、大きな大きな大沢の池。
 
      冬には、真っ白の渡り鳥が飛んできて、泳いでいるのだそうです。
 
 
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               池の向こうの方に見えるのは、蓮。
 
               遠目に、きれいな花が見えてました。
 
 
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           きょうは、涼しくて、ここは、別天地のようでした。
 
 
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                     広いお庭。
 
 
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               夏らしく、百日紅の花
 
 
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               とても綺麗なピンク色でした。
 
 
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       障子の板の部分にまでこんなかわいいうさぎの絵がいっぱい
 
 
 
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 きょうは写経とお斎(おとき)をいただくのが中心になったのですが、今度、ゆっくりとお寺の中の重要文化財なども観てみたいものです。
 
 灯篭流しやお月見、桜・菊・紅葉もすてきでしょうね。
 
 時々、こういう重要文化財があちこちにあるような、広い広い別天地でゆっくり過ごすというのは、大事なことだと思いました。
 
 8月は、20日の夜に、灯篭流し。お寺の前の大沢の池に、灯篭が流されるのだそうです。