京都deお散歩 115 ~西陣 鳴虎の報恩寺~

 
 
 先週の土曜日は祖母の命日でした。母と伯母と3人で久しぶりに祖母のお墓参り。
 
 杖をついた86歳の伯母を、81歳の先日転んで入れ歯のなかった歯を3本も折ってしまった母が支えて歩いていました。
 
 86歳の伯母は、長年パン教室をしていたのですが、最近は1ヶ月に1回だけ京都のパン教室に顔を出しに行くぐらいで、すっかりご隠居さんになりました。でも、相変わらずお洒落をして滋賀県からひとりで杖をついてやってきました。
 
 母方のお寺は、西陣堀川寺ノ内にある報恩寺です。今年はNHKの大河ドラマ黒田官兵衛」のおかげで、このお寺はその日も観光客が訪れていました。
 
 
               「鳴虎」と書かれた報恩寺
 
 
 
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 このお寺、関ヶ原の合戦で活躍した黒田官兵衛の息子の黒田長政が病没したところです。客殿には長政最後の部屋と伝えられる間があったり、快慶作と伝わる阿弥陀三尊像や阿弥陀如来坐像などが安置されているのだそうです。
 
 また、絵の中の虎が鳴くという「鳴虎図(なきとらず)」もたまに拝観させてもらえます。
 
 これは絵はがきですが、虎が水を飲んでいる絵です。
 
 
 
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 この虎、豊臣秀吉に気に入られて聚楽第に持って帰られてしまったのだそうですが、夜な夜な鳴くので、恐ろしくなった秀吉が返してきたのだそうです。
 
 
 また、このお寺には、「撞かずの鐘」という鐘があります。
 
 昔、西陣の織屋さんの丁稚どんと織子さんが、お寺の鐘がいくつ撞かれるかで喧嘩して、織子さんが9つというので、8つだと言った丁稚どんが「きょうだけは8つにしてくれ」と寺男に頼んだため、本当は9つ撞かれるのに、その日だけは8つしか撞かれず、織子さんがその喧嘩に負けてしまったそうです。
 
 翌朝、寺男が鐘を撞きに行くと、鐘楼に帯をかけて織子さんは死んでいました。

 以後、報恩寺では朝夕の鐘は撞かれなくなり、除夜と大法要のときのみ撞かれるようになったのだそうです。
 
 
                   撞かずの鐘(重要文化財
 
 
 
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 京都には、あちこちに歴史を物語る伝説が残っています。
 
 
 人形寺と呼ばれている宝鏡寺やお茶のお家元の千さんのお屋敷などがあるあたりです。
 
 
                   西陣の帯やさん
 
 
 
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 堀川通りに出たところには、田丸弥さんという甘党のお店があり、母たち姉妹(元々は4姉妹でした)のいつものお墓参りのコースに入っているということなので、この日も田丸弥さんで、いつもの冷やし白玉ぜんざいをいただくことに。
 
 
 
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 京都では甘党のお店がほんとにあちこちにあるものです。このお店のおぜんざいはほんとに美味しかったです。
 
 また、このお店のおせんべいも母はたいていお客さん用に買い置きをしていますが、いろいろあるおせんべいの中でも特に美味しいと私の友達も言っておりました。素朴なおせんべいです。
 
 
 
 
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 母たち姉妹にとって、このお店でこのおぜんざいを食べておしゃべりをするというのがお墓参りの楽しみだったようです。4人姉妹も今では2人になってしまいました。私がお墓参りにお付き合いしたことを、ふたりの老姉妹たちにすごく喜ばれていました。できる限りこれからもこのお楽しみつきのお墓参りにお付き合いしようと思いました。
 
 お墓には、祖母が好きだったりんどうの花を、母が買ってきて、供えていました。お墓に紫のりんどうはとてもよく似合っていました。