雑感 101 ~ガーデンへのこだわり~

 
 
 My Garden
 
 
 居間から見える部分です。
 
 
 
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 きょうはイングリッシュガーデンの歴史についてのTV番組を見ました。とてもおもしろかったので紹介します。
 
 もともとイギリスでガーデンが作られたのは、王様や貴族が自分の美しい所有地を見渡すためのものでした。自分の所有地以外の道などが見えてしまうと、持ち主の王様や貴族は木の枝などでそれが見えないようにし、はるか向こうまで美しく広がる自分の所有地だけを緑とともに見渡す、そのためのガーデンだったそうです(まあ、そういう所有欲からできたんだ~
 
 その頃のガーデンは、緑だけが見えるものでした。
 
 その後、イングランドの植物だけではなく、外国種の木々や花に関心が持たれ、プラントハンターという人たちが王様の命令で、アフリカなどに出向き、めずらしいプラントを持ち帰ったそうです。
 
 中には、カナダでプラントハンターをしていた人が凍死した話も紹介されていました。まさに命がけで王の命令のために出かけ、それを誇りに思っていたそうです。
 
 江戸時代の終わりには、日本の長崎にもプラントハンターがやってきたそうです。そのとき、彼がたいへん驚いたこと。「日本人はたいへん花好きである!」と祖国に伝えていたそうです。一般庶民が花好きというのは、びっくりだったのでしょうね。
 
 彼は、フォーチュンという人で、その後、江戸に行き、浅草の植木市に行って、またまた感激したことも伝えられています。「こんなにも植木を売り物にしている国は今まで見たことがない!!」
 なるほど、そうですね。日本人ほど一般庶民が市に出かけて自宅に植木を置く民族ってめずらしいということです。
 
 彼は、そのあと、鎌倉に出かけたそうですが、その際、山に自生するヤマユリを見てまたまたまた感激。イングランドにはこんなに大きな派手やかなユリはなかったようです。そのヤマユリを持ち帰り、イングランドにユリをもたらし、喝采を受けたようです。JAPANのヤマユリは当時イギリスでたいへんめずらしがられ、すごい人気があったということでした。
 
 このあたりまでは男性が王様の命を受けてイングリッシュガーデンを発展させているのですが、その後、ガートルード・ジーキルという南イングランドの裕福な家に生まれた女性で、画家志望の女性が画家として磨いた色彩感覚を用いて、ガーデンを今のイングリッシュガーデンのように草花を植えて色を楽しむガーデンへと発展させたそうです。
 
 彼女のガーデンは、画家らしく、色彩をコーディネイトして作るガーデンです。彼女の庭には、色彩の実験所もあったのだそうです。彼女は、色彩計画表なども作り、76種類の草花を使って、自然を感じさせる色彩豊かな庭を造っています。
 
 白、紫、黄、赤、黄、紫、白の順に花を植え、パステルカラーの美しい色彩の庭を造ったのです。特に、黄から赤へ移るときには特にコントラストの効果を使い、まずは黄色の中に赤を少しずつ混ぜていき、だんだんと赤を増やしていくというふうに植えていったそうです。
 
 小さい草花は前の方に、次第に背の高いものを塀に向かって植えていく、塀の側には背の高い草花が植えられているというふうに、高さにも気を配って、色のコントラストを強調させたのだそうです。
 
 純白のキツネノテブクロという花が大のお気に入りで、サマーガーデンといわれるガーデンには、この白を好んで使ったそうですが、キツネノテブクロにはピンク色のものも咲いたそうです。そうすると、彼女は、このピンクの花を毎朝引き抜いたのだとか。つまり、花粉が飛んで、白のキツネノテブクロの色に変化を起こすのを避けたのだそうです。そういうふうに引き抜いてまで純白なキツネノテブクロを守ったというのは、日本のいけばなにも似たところがあるなと思いました。不必要なところは切り捨てて、美しいものを作り上げるというところです。
 
 彼女は、色彩の魔術師といわれるほど色にこだわって、イングリッシュガーデンを造った人で、その方法が現代のイングリッシュガーデンへと発展していったのです。
 
 また、イギリスには、シシングハーストキャッスルというある夫婦の家庭のガーデンも今なおナショナルトラストの手によって維持されているそうです。
 
 夫が広い土地のガーデンの構想を、イングリッシュガーデンの歴史を踏まえて独自に作り上げ、そこへ妻が草花を植えていったそうです。
 
 さまざまな色をやはり駆使して妻は草花を植えています。赤と黄色の花を使って、明るいイメージの庭を造ったり、あるところには、タイムをまるで芝生のように植え、その上を夫婦が歩く。そうすると、タイムが踏まれて、とてもいい匂いをさせる。また、庭に置かれたベンチの上にもカモミールを植え、そこに座ると、やはりカモミールがつぶされて、とても安らぐ匂いが漂う。ハーブをそんなふうに使ったのだそうです。
 
 今、ナショナルトラストがいろいろな庭を維持しているということです。そういえば、ピーター・ラビットの画家であり、お話の作者であるビアトリクス・ポターが晩年その自然を愛したというイギリスの湖水地方の自然もナショナルトラストが守っているという話も聞きました。
 
 イギリスのガーデンは、イングリッシュガーデンの色彩もそうですが、女性の感覚で発展してきたのではと思われました。TVに出演していたナショナルトラストの人たちも女性たちでした。
 
 柔らかで明るい自然を求めてその美しい色彩の中で暮らすことを好んだ女性たちによって、今のイングリッシュガーデンの発展があるようです。
 
 何よりもこだわったのは、人間が作り上げたけれども、自然を感じさせるものでなければいけないということ。これは、王様が作ったガーデンもそうでした。ただ、男性たちは、どうも自分の所有物へのこだわりばかりがあるようでしたが、女性たちが作り上げたものは、色彩の美しさがその中心にあったようです。
 
いずれにしても、自分が最も安らげる好みの庭を作って、その中で暮らすことにとても意義を感じた人たちがそのために土地を持つ。それがイングリッシュの人たちの豊かさだったようです。
 
私たちにはとてもそんなことはできませんので、ささやかな植木市的なガーデンを楽しみます。春の庭、夏の庭、秋の庭、冬の庭へのこだわり。その花の色がそのささやかなお庭を見るものに、明るく豊かな気持ちを与えてくれます。
 
昨日、北山のほうへ出かけたのですが、地下鉄出口のそばにあるお花屋さんの店頭に、トルコキキョウの苗が売られていました。いいなあ。秋らしくて。
 
でも、My Gardenでは、今はまだ夏の花が真っ盛りなので、もう少ししたら植えたいと思いました。
 
 
 
 
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秋雨前線がすでに天気図には現れているようです。ここしばらく毎日毎日雨が降ります。毎日毎日、どこかに大雨警報、洪水警報が出ています。温暖化などで、季節の移り変わりがたいへんな試練を迎えるようになってきているみたいです。
 
 
 
小さい秋みつけたMy Garden
 
 
 
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