京都deお散歩 171 ~妙心寺 退蔵院の枝垂れ桜~



 嵯峨野方面にイカリスーパーがあるでの、時々バスに乗って気分転換に出かけるのですが、その時、気になっていたのが、妙心寺臨済宗のお寺です。

 昨年の夏、妙心寺の中にある退蔵院のお坊様のお話を聴く機会がありました。禅宗のお寺なので、禅と茶道についてのお話でした。

 日頃は一般公開されていないお寺のようですが、枝垂れ桜が美しいということで、春は4月の中旬まで一般公開されているようです。

 
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 妙心寺は広い境内の中に、いくつものお寺があります。南門のほうから入ってすぐのところに退蔵院はあります。


 方丈の向かいのお庭へ続く道を少し歩くと、お庭の入り口で、あっ!、と驚くのです。

 余香苑(よこうえん)の入り口


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 見事な枝垂れ桜が満開でした。


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 禅宗のお寺らしく、意味ありげなお庭の作りになっています。

 左手に「陽の庭」


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 右手に「陰の庭」  日陰で、砂の色もこちらは少し黒っぽくなっていました。


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 物事や人の心の二面性を表しているのだそうです。


 さらに奥のほうに進むと、池があり、広いお庭が続きます。

 
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 水琴窟で、侘び寂びの風情が楽しめるそうです。


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 ここでお茶とお菓子をいただきながらお庭が観られます。


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 ん??お菓子、逆さま向き??と思いつつ、でも、美味しいお茶とお菓子でした。

 お茶とお菓子をいただきながら眺めたお庭


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 枝垂れ桜も美しかったですが、椿もまだまだ美しく咲いていました。


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 方丈のほうでは、意味深な言葉が貼られています。


 
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 このお寺のシンボルマークはひょうたんとなまずだそうで、Tシャツとかが売られていました。というのは、こんな絵があるからです。


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 ひょうたんで、大きななまずをいかに捕えるかという、国宝「瓢鮎図(ひょうねんず)」という絵からきたものだそうです。これは、禅問答なのだとか、・・・。

 というわけで、余香苑の入り口にもひょうたんの形があったり、池の形もひょうたん型なのだそうです。


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 季節によって花や紅葉が美しい余香苑のお庭とは対照的に、方丈のほうのお庭は、室町時代の狩野元信の作った常緑樹の植えられた枯山水

 一年中変わらないお庭で、「不変の美」を求めたものと考えられているそうです。


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 そして、杉で作られた戸には狩野了慶の絵がいくつもありました(模写復元されたものですが)。


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 そして、帰り口はお墓への入り口となっていて、西条八十の詩


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 お庭の枝垂れ桜を愛でながら、禅宗の教えの入り口あたりに少しだけ触れたひとときでした。

 妙心寺は、退蔵院以外にも一般公開されているお寺もありました。また、ほかにも見せてもらえるところとかもあったのですが、それぞれに拝観料がかかるので、きょうのところはとりあえず退蔵院だけ、拝観させてもらってきました。

 退蔵院のお坊様の本「大事なことから忘れなさい」をパラパラめくってきましたが、禅宗の教え「捨てる」ことについてなどが書かれた本のようでした。無常な人生、これからますます大切な教えかも・・・。禅宗の教えの実践はむずかしいでしょうけど、道しるべかも・・・。と、ちょっと禅宗に気持ちがひかれています。


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 退蔵院でいただいた退蔵院のお庭の桜の絵葉書に書かれていた言葉

 人生は晴れた日ばかりではありません。嵐の日や、疲れた日や、絶望した日など、いろいろな日があります。
 毎日をいつもよい日だと味わうためには、瞬間瞬間を精一杯生きなければなりません。
 どんな状況のときも、そこに自分の身と心を置き、そのすばらしさを受けとめられることができれば、きっと毎日がよい日になるほずです。
 桜の美しさは儚さとともにあります。この一瞬の美しさをどうかお楽しみください。