きりのなかのはりねずみ

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1月中旬から高熱が出て、風邪でもインフルエンザでもない、なんだろう?という状態でしたが、高熱6日目に肺炎と言われました。幸いお薬が合って、熱は下がり、落ち着きましたが、世間は新型コロナウイルス騒ぎ、職場では相変わらずインフルエンザという中、ヒヤヒヤの冬です。

 

そんな中、たまたま手にとったのが、この絵本。

 

薄暗い絵です。でも、なにか惹かれるような絵でした。

 

はりねずみ🦔くんが友達のこぐまさんとお茶を飲みながら星を数えるために森の中を出かけていくお話です。

 

ロシアのお話だそうです。この薄暗さ、あまり陽のささないロシアの森を想像しました。少し怖い感じもする森なのですが、でも、この森に暮らす動物たち、暗い霧の中で姿はよく見えないものの、なんだか優しいのです。

 

霧の中で道を見失い、迷ってしまったり、川に落っこちてしまったりのはりねずみをどこからともなく気にかけてくれる動物たちがそっと現れては助けてくれているのです。そして、ちらっと姿を現す美しい白い馬。

 

大変な目に遭いつつも、やっとこぐまくんの家にたどり着けたはりねずみ。こぐまくんの好物の野いちごのはちみつ煮も無事にお土産にとどけられました。

 

何も事情を知らないこぐまくんは、待ちくたびれてはりねずみくんにどうして遅れたの?と言いながらも、いつものようにひとりで勝手にいろいろおしゃべりするのです。君がいてくれなかったらいったいだれと星をみるのさって。

 

夜空の星を眺めるこぐまくんとはりねずみくんの後ろ姿が、夜の森にほのぼのとした温かさを感じさせます。

 

寒い冬の日、薄暗い気持ちで体調が戻るのを待つ日々。だれかが助けてくれたり、見守ってくれたりするところで、ほのぼのとお茶を飲みながらひと時を過ごせる友達がいること。自然の中でくらせること。実はそれが私たちの素朴な毎日をささえてくれてる大切なことなのでしょうね。

 

友達とのひと時は大切にしようっと。

 

薄暗いのに温かい絵本でした。