ぱん de おしゃべり 2 さつまいもの蒸しパン

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美味しいパンを作りましょう! 

さつまいもの蒸しパン

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 これも戦争中の話。母方の伯母はこの頃からパンを作るのが得意だったようです。その上、洋裁も得意だったので、家にある古着を利用して、子供向けの服を作り、山科の農家に出かけたそうです。その服をサツマイモなどのイモ類や野菜などと交換。女学生だった伯母は、それらを大きなリュックに背負って帰ってくるなり、サツマイモの蒸しパンを家族のために作ったそうです。小麦粉は、宇治の親戚からよくもらってきたとのこと。伯母は、戦争中、戦後と、食べることだけはよくやってくれたと母は言っていました。

 そもそも、洋裁を始めたのは、母の父だったそうです。まだまだ日本人は和服を着ていた昭和の初め、祖父はドイツからミシンを輸入し、娘たちの洋服を作るのを趣味にしていたようです。祖父は、四条松原のあたりで、みすや針というのを商うお店を持っていました。もともとは上京区堀川沿いで醤油屋を営んでいた家に生まれたそうですが、祖父の父親が連帯保証人のはんこを押したために、家屋敷を奪われてしまったそうです。その時、持ち出した大きな仏壇を売り払い、一家は3年間、その仏壇を売ったお金で生活したそうです。そのお金が尽きたとき、親戚のお世話を受けて、みすや針のお店を持たせてもらったようです。

 商売は繁盛。ドイツ製のミシンを輸入し、洋服を楽しみで作り、ピアノやヴァイオリンを弾き、声楽を習い、毎日裕福に遊んで暮らしていた、そんないい時代だったようです。

 その上、大正時代に青年時代を過ごした祖父は、クリスチャンでもありました。四条大宮には昔、教会があったそうで、祖父はよく通っていたそうです。洗礼も受けていたようです。
 
 祖父は声楽をしていて、母や伯母の話では、毎朝起きるなり、讃美歌や埴生の宿などを歌っていたそうです。そういえば、母は、聖書を持っていました。子供ながら、ちょっと不思議な感じがしたものです。祖父の影響だったのでしょうか。母も伯母も讃美歌や埴生の宿を聞くと、亡き父親を思い出すそうで、その話を私にしながら、二人で埴生の宿を歌っておりました。

 戦争が始まると、針はお国のために没収され、長男は戦争で大陸へ行ってしまいました。兄のいない家庭では、四人姉妹の上の姉ふたりが年取った父に代わって一家を支えました。祖母はからだが弱かったとはいえ、お国のために町内の婦人会の会長をしていたのだそうです。

 このころの話で、おもしろい話がいくつもあります。

 母の一番下の妹は、姉妹の中で一番やんちゃで、いつも学校の先生から叱られてばかりいたようです。ある日、英霊が帰ってくるというので、国民学校の生徒たちは京都の二条駅まで歩いてお迎えに行かされたのだそうです。英霊は、骨になり、箱に入れられ、白い布に包まれて、父や母の首にぶら下げらています。その白い布に包まれた箱が通るとき、子供たちは下を向き、目礼するのだそうです。それなのに、小さな母の妹は、みんなの様子がおかしくて、顔をあげてはくすくす笑ってしまったのです。
 英霊が通り過ぎた後、母の小さな妹は、新任の若い女の先生に叱られ、学校へ戻ってから、講堂の壇の上に立たされていたそうです。

 気の強い祖母は、それを母から聞くなり、学校へ乗り込み、若い新任の女の先生に向って、「うちの子はからだが弱いんどす。もし、立たされて熱でも出したらどないしてくれはりますねん。」と怒鳴りこんだのだそうです。若い先生はびっくりして講堂に行かれたそうですが、その時にはもう、母の妹はとっくに家に帰っていたのだそうです。昔も怒鳴り込んでいく母親というのはいたようです。

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伯母が戦争中、農家への買い出しのあとにいつも作ってくれたというこのサツマイモの蒸しパンは、今では母のお得意のお菓子パンになっています。お砂糖は控えめに、卵、牛乳を入れて栄養たっぷりの食べやすいパンです。


【さつまいもの蒸しパンのレシピ】
   卵  1個    
   グラニュー糖 小さじ2  
   牛乳  卵とグラニュー糖と牛乳で400ccになるようにする
   小麦粉  200g
   ベーキングパウダー 大さじ1
   塩 少々
   さつまいも 大1個

,気弔泙い發鬘隠磽躋僂棒擇辰董塩を少し入れて半煮え状態になるまでゆがき、あげておく。。
⇒颪肇哀薀縫紂偲釮魍富造掘牛乳を入れる。
小麦粉とベーキングパウダー、塩少々を混ぜ、耳たぶよりもずっと柔らかいぐらいにどろっとさせる。
ぞ?郡錣某紊鯑?譟▲ッキングペーパーを敷き、ふたをして沸騰させる。
ゾ麦粉を溶いたものを蒸し器に少し入れてはさつまいもを入れ、その上にまた粉を溶いたものを入れ、さつまいもを入れると言うのを繰り返し.まんべんなくさつまいもが混ざるようにする。
蒸し器にふたをして、20分ふかす。楊枝をさして仲間で火が通っていたら、火を消す。