きょうのおやつ 28 ~お正月の和菓子 花びら餅~

 
 
 
                  お正月の和菓子
 
                     花びら餅
 
 
 
イメージ 1
 
 
 
 平安時代、宮中でお正月にいただいた歯固めのおせちのひとつにちなんで作られたものです。京都では、お正月用の茶の湯の和菓子として使われます。
 
 昔の人にとっては、歯は命のもと。入れ歯なんてないので、歯が弱ることは命取り。そこで、お正月には、宮中では、長寿の願いを込めて、歯固めの儀式が行われていました。
 
 源氏物語にも、六条院の華やかなお正月に、この歯固めの儀式が出てきます。
 
 歯固めの儀式というのは、お正月の三が日と6月1日に鏡餅や猪肉、鹿肉、大根、押鮎など、噛み応えのある固いものを食べて健康と長寿を願う行事です。
 
 「歯の根を固める」。命に関わるので、長寿を願う、とても大事な行事だったのでしょうね。
 
 「齢(よわい)」という字は、「歯」と書くのも、そういう意味からきているのですね。
 
 花びら餅は、明治の時代から、茶の湯のお菓子として、平安時代のおせちのお料理にちなんで工夫されたものです。
 
 白く甘い求肥に味噌あんと蜜漬けのごぼうをはさんであります。ほんのりとした紅色が透けて見えます。とても華やか。
 
 ごぼうは、押鮎を見たててあるのだそうです。
 
 かわいいピンクのハートのお皿でいただきました