きょうのおやつ 16 ~おぜんざい~

 
                  小豆があったので
 
                 おぜんざいを作りました。
 
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 お砂糖を入れる前に、小豆を半分取り出して、ついでに小豆粥も作りました。
 
 
               ここにもお餅を入れて
               お塩を少々効かせた小豆粥。
 
               私はこれが大好きです。
 
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 1月15日は毎年小豆粥を食べます。中国から入ってきた年中行事のようです。
 
 小豆は邪気を払うものとされていたので、一年の健康を祈って、小正月に食べるようです。
 
 という話をしていたら、そんな習慣ない地域もあるようでした。この習慣、どうも京都が中心なのかな?
 
 昔の人は、旅に出る時にも邪気を払い、安全に旅ができるように、小豆を食べて旅だったとか。
 
 人が自然を畏れ敬っていたころのお話。
 
 でも、いまでもまだ両親の世代は、食べないといけないように毎年1月7日には七草粥、1月15日には小豆粥を食べています。
 
 京都には昔から、この日には何を食べるというのが結構あって、お寺で振る舞われたりもします。
 
 もうすぐやってくるのが、12月8日。この日は、お釈迦さまが悟りを開かれた日。千本釈迦堂では、厄除けの大根だきが振る舞われます。お大根とお揚げをたいたものです。
 
 矢田寺では、冬至の日のかぼちゃ供養。
 
 八坂庚申堂のこんにゃくだきは、60日に一度の庚申の日と1月6日、7日、5月3日。こんにゃくで病気を治してもらえるそうです。
 
 千本閻魔堂でも節分にこんにゃくだきが振る舞われます。こちらは厄除け。
 
 また、7月25日には、安楽寺の鹿谷かぼちゃ供養。中風にならないおまじないです。
 
 京都での庶民の昔の献立。
 
 お朔日(おついたち)。月の初めはにしんこぶです。にしんの渋み、こんぶの切ったもので今月も渋く暮らしましょうということらしいです。
 
 8のつく日は、あらめのたいたん。
 
 15日は小芋。にしんと炊いて、いもぼうとかを作ります。
 
 きわの日(月末)には、お商売人さんのおうちでは、「かけとり」(集金)で忙しいため、おからを炊いておくのです。月末でお財布の中のさびしくなるので、おからなのでしょうけど、おからに干しシイタケやにんじん、おねぎ、おあげを入れて炊くので、十分栄養が取れます。
 
 2月の節分のいわしは全国的なものなのでしょうね。
 
 雛祭りのちらしずし。家で祖母が作ってくれるちらしずしは、甘口で、おじゃこやかまぼこ、かんぴょうのたいたんとかがお酢のご飯に入っていました。そして、干ししいたけを甘辛く炊いたものとか、錦糸たまご、紅生姜がのせられてました。昔のちらし寿司は、甘口でした。
 
 春のお祭りの時には鯖寿司。新鮮なお魚がないので、福井の鯖街道を通って取り寄せる鯖を酢漬けにし、お寿司に巻きます。
 
 5月は洛西のたけのこ。
 
 端午の節句の日に、お風呂屋さんに行くと、菖蒲の茎が束ねられ、湯舟に浮かべられていました。
 
 6月30日の夏越会(なごしのえ)には、みな月。昔は、暑い盛り、高貴な方には氷室の氷が届けられますが、一般庶民は、氷に似せたういろうのようなもので、三角の形に、あずきが上にのっているお菓子を食べました。小豆は邪気を払います。この夏を、天然痘などにかからず、無事に過ごせますようにということです。
 
 土用の入りにはあんころもち。
 
 8月は、お精霊さん(おしょらいさん)のお膳。あらめのたいたのとか、のっぺいのおつゆ。
 
 このころ、京野菜の賀茂ナスの田楽なんかが食べられます。
 
 8月23日は地蔵盆。子供たちのお祭りです。各町内で、お地蔵さんを拝みます。子供たちはまあるく円になって座り、お経が唱えられている間、長い大きな数珠をぐるぐるまわします。この時に配られるのが、赤芋の蒸したん。
 
 庶民は夏には、とうがらしを焼いたんやおなすとにしんをたいたんを食べるのです。私は夏に実家に帰ると、たいてい、おなすとにしんのたいたんを作ってもらっています。でも、私のお伯父さんはこれがとても苦手で、夏になると泣いたはったようです。
 
 秋は、お月見のお団子。お彼岸のおはぎ。
 ひろうすや生湯葉のつくだ煮、ずいきのたいたん。めおとだきというのは、おあげとおやきを炊いたものです。
 
 10月20日には、はんぺいとおねぎをたいたもん。
 これは、旧暦のえべっさんの日です。九条ねぎを笹に、はんぺいを小判に見立てて、お商売をしているおうちでは、この日に、商売繁盛を願って食べるのです。
 
 祖父は、昔、お商売をしていたのですが、この日、後妻にきた人が(私の祖母は結核で亡くなっています)、はんぺいの代わりに別のよく似たもので間に合わせたことに祖父が立腹。大喧嘩になったのだとか。商売繁盛にはとても大事な献立だったようです。
 
 12月に入ると、かぼちゃ供養でお寺にお参り。 
 
 大みそかには、にしんそば。
 
 お正月のおせちでは、祖母がよく小芋と棒だらを炊いて、いもぼうを作っていました。棒だらも、新鮮なお魚のない京都だから、鱈を乾燥させて、それを水につけて戻し、小芋とたいていたのでしょう。暮れになると、錦市場で棒だらを買っていました。
 
 年が改まって、初午の日には、畑菜とからしの和えたもの。
 
 昔は、初めての子の日には、小松を引いて、若菜を摘むという遊びを子供たちがしたようで、源氏物語にも出ていたりします。
 
 また、お正月の3が日には、「歯固め」という行事もあったようです。これも源氏物語。やはり昔から、歯は大切だったようです。長寿を祈って、鹿のお肉や猪のお肉なんかを食べたようです。干物でも噛んだかな?
 
 そろそろ11月も終わり。きわの日には、おからのたいたんを食べたくなってきました。