京都deお散歩 5 ~京のよつぎさん~上徳寺 富小路五条下がる

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 塩竃山上徳寺というのが正式名。前回と同じく、この地には、源融(とおる)が宮城の塩竃をまねて作らせた塩焼きの風情を楽しむ庭園があったところです。

 このお寺は、徳川家康が建てさせたということです。よい世継ぎの子供を授かりたい人が拝みにくるお寺で、2メートルもあるお地蔵さんが安置されているそうですが、お堂の中はよく見えませんでした。

 境内は比較的広く、古めかしい建物があり、落ち着いたいいお寺でした。

 お寺の奥の、カラフルな布が下がっているところが、世継ぎ地蔵さんのおられるお堂です。

 そのほかには、身代わり地蔵、はがため地蔵、水子地蔵など、いくつものお地蔵さんがおられました。

 このお寺は、子供をほしい人だけではなく、今は子供を望んでいないのに授かってしまった人が、とりあえず預かってもらうことをお願いにくるお寺でもあるということでした。

 流すとか下ろすとか言いますが、預かってもらうというのは、いろいろな事情があって子供をあきらめないといけない人にとっては、少し救われるような言い方です。

 子供を授かりたい人への信仰としては、大みそか祇園の八坂神社のおけらまいりでもらった火で、お雑煮を焚くと子供が授かるという話もあります。もともと、おけらまいりは、一年の健康を祈って氏神さんの火をもらい、その火で元旦のお雑煮を焚くのですが、こんな民間信仰もあるのですよ。

 弟夫婦にはなかなか子供ができず、大みそかの日、八坂神社に近い実家に戻ってきて、夜中にいっぱい服を着こんで、八坂神社に出かけ、おけらまいりをし、そこで八坂さんの火をもらい、大事に持って帰って、さっそく元旦のお雑煮をふたりで焚いていました。その年、初めての子供を授かったのは、ご利益があったのでしょうか。

 また、京都では、祇園祭の巡行の順番で、占手山という鉾が早い順番をくじで引いた年は安産、と言われているので、毎年祇園祭の鉾の巡行のくじの日には、自分の住んでいる地域の鉾が何番になったかを見るのと同時に、占手さんが何番やったやろうかと気にして見たりします。