祇園 北西角のいづ重
鯖寿司で有名なお寿司屋さんです。
店内入口。ここで持ち帰り用のお寿司を買うことができます。
火鉢には昔ながらの炭
鰻の寝床のように長々と奥に続く店内
歴史を重ねた障子の壁面
障子には達筆で書かれた文字
テーブルの上にも古めかしい行燈
お品書きの絵は東の青龍
入り口で見た箱寿司があまりにもきれいだったので
上箱寿司というのを頼みました。
ふたり分が盛られています。
ずっと昔からのお皿
懐かしい昔ながらのコクのある少し甘口の味付け。
京都の庶民の味って、意外としっかりとした味付けなのです。
おばあちゃんの作るばら寿司も甘口だったなあ。
赤出汁は板麩と三つ葉だけ。
あっさりとして、とても美味しい赤出汁でした。
京都の古民家を使って、最近ではいろいろな新しい創作料理のお店が急に建ち並ぶ京都ですが、祇園では、まだまだ、建物に住みついたお味噌屋さんやお醤油屋さんのこうじ菌みたいなものが作り出すかのような、昔ながらの京都の味のするお料理を出してくれるお店が残っているようです。
庶民的でありながらも、洗練されていて、懐かしい味のお寿司でした。
きょうは、午前中で仕事から解放される日。祇園を通って、帰ります。
たまたま、今日は、出張で同じく祇園を通って出かけるという友達がいて、冬限定蒸し寿司を食べようと誘われて、いづ重にきました。
今度は、また機会があれば、散らし寿司を蒸した冬だけの蒸し寿司や、鯖寿司もいただきに出かけたいものです。
お寿司のあとは、コーヒーが飲みたくなりました。
もう少し時間があるということなので、友達と一緒に、四条通りに回って、すぐ近くの喫茶カトレアへ。
このお店も、ほんとに歴史のある古くからの祇園の珈琲のお店です。
店内は広々として、のんびり休息できそうな雰囲気です。
一緒に行った友達は、同窓会のあとは、懐かしい友達と、このお店のこの席で
コーヒーを飲んでから帰るのだそうです。
友達いわく、「同窓会のあとには、ちょうどいい広さのテーブルでしょ。たくさんすわれるし。」
シャンデリアも昔ながらの祇園のお店をしのばせます。
今も残る昔からの珈琲店は、たいてい、洗練された美術品で満ちあふれています。
京都に長年残る珈琲店では、昔は、昼間は地元のお商売人の旦那衆たちの商談、夜は、知識階級で芸術に造詣の深い人たちの芸術論などで、仲間たちとのひと時を過ごしたりしたようです。
今では、平日のお昼は、のんびりとした空気が流れ、ひとりでゆっくりひと時を過ごす人たちがぱらぱらと来られていたようです。
こういうお店には、昔からの美術品が置かれていることが多く、そういう古い時代の珈琲店のマスターたちもまた、芸術愛好家で、気品のある方たちだったことだろうと思われます。
このお店は、今では若い人たちがお店に出ておられます。でも、落ち着いた静かな空気が流れていました。
時々、こういうお店で美味しい珈琲を飲んで、ほっとひと息ついて、のんびりすることも大事かも。
懐かしいまったりとした昔の庶民の味と、大正時代か昭和30年かといった雰囲気のお店での珈琲とで、贅沢なタイムスリップを体験してきました。