和歌山に行ってきた友達から、たくさん平柿をいただきました。
渋柿の渋を抜いたものだそうです。
和歌山って、柿が美味しいのだそうです。以前も、ご主人の実家からたくさん送ってきたと言って、よくもらっていました。
ご主人のご両親も今は亡くなり、山の中の一軒家だったおうちは空き家になっているのだそうです。
以前も崖崩れでたいへんなことになり、200万円で直したということでしたが、先日の台風で、また同じところをすっかりやられてしまったのだそうです。
もうだれも住んでいないので、このまま、森に帰るの、とのこと。
そんな山の中の一軒家の敷地が今、問題になっているのだそうです。
このあたり、もうすっかり住む人がいなくなり、棚田も含めて、どこからどこまでがだれの土地なのか、わからなくなってしまっているので、町が中心になって、その確認作業が行われているのだそうです。
何枚目の田んぼからがだれの土地、この木からむこうがだれの土地。
ところが、みなさん、欲張りもせず、そこはお宅の土地ですよ、と言ってくれるのだそうです。で、いえいえ、そこはうちの土地ではありません、どうぞ、どうぞ、となるのだとか。
欲がないのではなくて、へたにもらうと、かえってやっかいなことになるのだそうです。
「台風で木が倒れていますよ」と連絡を受けると、その木を取り除いてもらうのに、お金がかかるわけです。
木もちゃんと手入れをしないとだんだんに不健康になるそうで、それもたいへん。
息子さんが生まれた時、お舅さんが、「たくさん木を植えておいたから、この子が20歳になった頃には大きくなっているだろうし、それを売ったお金で大学に行かせたらいい」と言われたのだそうですが、いまではとんでもないことに、1本売ると、7000円は損失が出るのだとか。
東北で大きな災害が起こり、木がいるようになったのか、どこかの業者が、木を切ってもいいですか、その代わり、その木をもらっていいですか」と言ってこられたようで、「どうぞ、どうぞ」とお願いしたのだそうです。
毎年、風などで木が倒れたのを取り除いてもらう費用がいるけれど、たまに、関西電力から、「電線をつけるのに、お宅の木を切らせてもらっていいですか」と言われ、その時には1本に付き、何円というお金をもらえるのだそうです。
それで、なんとかプラスマイナス・ゼロになっているのだそうですが、持っていて困る土地というのがあるとは、なんだか贅沢なのか、そうではないのか、わからないものです。
その土地に建物を建てては?と言えば、土砂崩れや熊の出没などの問題があり、住めないのだそうです。
イノブタもあちこちに走っているのだとか。「それを売ったら?」「猟師さんにお金払わないといけないから、結局、損」というわけで、どうしようもない土地の持ち主を、いえ、うちはここまでですから、いえいえ、うちはこんなところまでは持ってなかったです、この木はどこのおうちの木でしょう?といった山の土地の持ち主めぐって、ご主人は、今日も明日もその話し合いに帰郷されているのだそうです。
柿だけは美味しいけど、あの山はもういい、と友達が言っていました。
で、その柿なのですが、平柿って、四角なのに、1個だけ、五角形のがありました。