前回と引き続いて、今回もレトロな気分を味わえるカフェ
イノダコーヒ 本店です
1999年の火災で焼け残った貴重な別室
通路もレトロです
こんなのが出てきた映画がありましたね。
この通路の鳥かごには、昔はオウムがいました。
1984年から1988年ごろの話ですが、イノダコーヒのすぐ近くに住んでいたので、幼い息子を毎週日曜日になるとこのお店に連れてきて、ブランチを食べて過ごしていたことがありました。
息子はこの通路で買われていたオウムをとても喜んでいました。小さくて背が届かず、いつも抱っこ抱っこで籠の中を見ていたものです。
でも、今では、オウムはもういなくなっていて、小鳥が飼われていました。ちょっとがっかり・・・。
数年前に来たときには、たしか、まだオウムが飼われていたはずですが・・・。
テラスです。
日曜日になると、よくテラスを眺めながら、ハンバーグサンド、
イタリアンスパゲティーなどを昔はよく食べたものです。
火災のあと、このテラスもきれいに整備されました。
火災が起こったときは、もう近所には住んでいませんでしたが、
朝のニュースで聞いて、とてもショックでした。
でも、懐かしい建物は無事だったので、よかったよかった。
大半が焼けたため、新しく建てかえられた部分は、あちこちの支店と 同じような作りになっています。
今夜は懐かしい建物の中で、懐かしいイタリアンスパゲティーを
頼みました。イタリアにはこんなのはないという、日本独自の
いわゆる「イタリアン」です。
たっぷりの野菜サラダも
実は、今回、ほんとは、マッシュルームの入ったホワイトシチューで、カップの上にパン生地をかぶせてオーブンで焼いたものを頼みたかったのですが、若いウェイターさんは、首をかしげ、「そういうのはしておりません」とのこと。
そうなんだぁ~。イノダでブランチを食べる時、息子はいつもそのスープを喜んで食べていたのです。カップにかぶせたパンがまるでコックさんの帽子のように膨らんで、その焼きたてのパンをスプーンで壊しながらシチューをいただくのです(私も食べたかったけど、いくつも頼むと高くつくので、いつも息子分だけ。私は食べたことなかったぁ・・・)。
どういうふうに焼いてあったのかな、ときょうはそれを頼んでみたくてきたのですが・・・。もう25年も前のことでした。オウムと一緒に、このメニューもなくなっていたんだぁ・・・。
食後に、コーヒー
・・・。なんか、昔とちがうなあ・・・。
まずカップの大きさが変わったことは、数年前からです。それは、まあ、いいんだけど・・・。
昔、イノダのコーヒー豆を買って帰っても、なかなかあのコクのある味が家ではでなくて、昔住んでいたマンションのすぐ近くにあった三条店の人に聞いたのです(三条店は楕円形のカウンター席になっていたので、お店の人がコーヒーを入れているところが目の前で見ることができたのです)。
そうしたら、ご親切に入れ方を教えていただくことができました。その際、ネルのようなコーヒー豆の粉を入れる袋とホーローのポットがいるということで、お店で売っていたのをわざわざ買って帰ったことがありました。イノダのポットは真っ赤でした。
教えられた通りしたのですが、・・・。なんかちがうなあ・・・。
そう簡単にプロのようにはいかなかったということもあるのですが、イノダのコーヒーには、濃厚なミルクがたっぷり入っていて、乳脂肪分が油として浮いていました。その濃いミルクとお砂糖がイノダのコーヒーとはとてもいい相性で、そこまでは家庭ではうまくいきませんでした。
あの濃い、イノダらしいコク。それが、今回、・・・、感じられなかったなぁ・・・。ミルクも少なくなっていたように思うし、油分も浮いてませんでした。
お客さんも変われば、コーヒーの好みも時代とともに変わっていくのかな。お砂糖も昔はもっとたくさん入っていて、甘ったるかったものです。
オウムも、パンを帽子のようにかぶったホワイトシチューも、油がいっぱい浮いていた大きなマグカップに入った甘ったる~い濃いコーヒーも、幼かった私の息子も、みんな私の懐かしい思い出(・・・に、なってたんだぁ~)。
今夜は、食後にコーヒーを飲んで、本を読んで、ゆっくり夕暮れ時を過ごして、帰宅しました。
家に帰ると、どうしてもなんやかやと気も散るし、ゆっくり本を読んでという過ごし方ができません。仕事の帰りにどこかに寄って、ちょっとゆっくり本を読んで帰る。そんな時間が1週間にちょっとでも持てたらいいですね。