京都deお散歩 28 ~鉄輪の井~

 
 
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 謡曲に「鉄輪(かなわ)」というのがあります。
 
 夫に捨てられた女が、貴船に丑の刻参りをして、鉄輪を頭にかぶって、ろうそくを立てて、後妻を呪い殺そうとするというお話です。
 
 朝、職場への行き道をいつもとちょっと変えて歩いていたところ、話に聞いていた井戸のある路地を見つけました。朝からちょっと恐ろしいことでしたが、見てきました。
 
 この井戸は、下京区堺町松原鍛冶屋町の路地を入っていったところにあるのですが、その鉄輪の女が住んでいた址だと言われています。また、この井戸に身を投げたとも。
 
 
 そんな伝説がある井戸なので、縁切り井戸として、この井戸の水を相手に飲ませたら、縁が切れるという言い伝えが残っています。
 
 今では、地下鉄工事のために井戸は枯れてしまったようですが、ペットボトルの水などでお参りにくる人もいるとか。
 
 すぐ近くには、源氏物語の夕顔の家があったあたりということで、夕顔町という町内もあります。
 
 これも、源氏に捨てられ、未練が断ち切れない六条御息所の生霊が源氏に愛されている夕顔を殺したという話でした。
 
 安井の金毘羅神社もそうですが、縁結びとちがって、縁切りというのは、しんどい思いがどろどろと立ちこめてそうな場所でした。どうぞ、清められますように。