紫雲山頂法寺六角堂というのが、正式名。このお寺も1月18日は今年初めての縁日の日で、きょうが初観音。聖徳太子が建立された六角の屋根のお寺です。六角の建物というのはなかなか美しい形です。上から見た写真は、隣のビルのエレベーターの中から撮ったもので、タイミングがむずかしく、なかなかうまく撮れませんでしたが、上から見ると、とてもきれいな六角の屋根が見えます。
物部守屋と争っていた聖徳太子が、淡路島で見つけた如意輪観音に勝利をお願いし、四天王寺建立の誓いを立てられたのだそうです。そんな昔々、勝利をおさめた聖徳太子は、約束通り、大阪の四天王寺を建てるための用材を求めて京都のこの地にやって来たところ、観音さまが、ここの地でとどまり、衆生を救いたいとおっしゃったのだそうで、それで六角堂を建て、観音さまを安置されたのだそうです。
また、このお寺は、鎌倉時代には、比叡山で厳しい修行を終えた親鸞が100日間籠られたお寺でもありました。そのとき、95日目の夜明けに、観音さまが夢枕に立たれて、親鸞にお告げをされたのだそうです。
親鸞は、いくら修業をしてもなかなか肉体の欲をなくしきることができず、そのことで苦しんでおられたそうです。親鸞さんって、当時のお坊さんのエリートコースである比叡山での厳しい修行をしてからも、まだまだそういうことで悩んだお坊さんだったそうです。そんな親鸞の夢枕で、観音さまが言われたことばは、「もしあなたが女性と交わりを結ぶ時は、私が玉女という女となって、抱かれてあげましょう」というものだったそうです。
僧侶の結婚は禁じられていた時代、親鸞は、結婚しても救いを得ることはできるという教えを観音さまから告げてもらって、このことが親鸞の迷いをふっきり、新しい宗教を打ち立てたということです。
そんな話が残っているお寺で、親鸞夢想の像も安置されていました。
お堂は、暗くて古めかしいので、革堂(こうどう)さんのように豪華な感じはありません。でも、その古めかしいお堂の中に、ろうそくがあちこちに灯され、なかなかいい趣が感じられました。
小さい境内には、いろいろな仏さまがおられます。休憩所に安置された数多くの小さな仏さまも、ゆっくり眺めていてたいようないい仏像ばかりでした。お土産物売り場の横に安置するにはあまりにもいい仏さまたちだと思うのですが・・・。
また、境内の片隅に、一言願い地蔵さまがおられます(写真をごらんください)。少し首を傾けておられるのは、願いごとを聞いてあげようかな、どうしようかなと考えたはるのだそうです。ともてかわいい仏さまに、聞いてもらえるかどうかはわかりませんが、とりあえずひとつだけお願いごとができるそうです。